TACIT KNOWLEDGE UNDERSTANDING 暗黙知理解

暗黙知理解

画像・映像の注視領域推定

人間は五感を通して外界から情報を取得していますが,その多くを視覚から取得していると言われています.人間が注視する領域(注視領域)は主にボトムアップ型注意とトップダウン型注意から決まります.ボトムアップ型注意は本能的なものであり,この注意を引き起こす領域は人類が共通して注視する領域です.一方で,トップダウン型注意は人間の明確な意思に伴って生じるため,この注意を引き起こす領域は個人によって異なります.メディアダイナミクス研究室では,このような個人差のある注視領域をAIが予測することで,ユーザが未視聴であるマルチメディアコンテンツへの興味・関心推定の実現に向けた研究を進めています.具体的には,各ユーザから得られる少量の視線データからユーザの注視傾向を捉え,画像・映像に対する注視領域の推定を行っています.

映像視聴時のユーザの動作情報を利用した関心度推定

NetflixやAmazon プライム・ビデオ等の映像配信サービスの普及に伴い,Web上に存在する膨大な量の映像の中からユーザの関心が高い映像を提示可能な推薦システムの重要性が増加しています.従来,このような推薦システムでは,ユーザが過去に視聴した映像に対する評価に基づき関心度を推定し,推定された関心度が高い映像を推薦しています.そのため,ユーザが映像に対する評価をしていない場合や提供された評価が正確でない場合,ユーザが未視聴の映像に対する関心度の高精度な推定が困難です.そこで,メディアダイナミクス研究室では,ユーザが映像を視聴している際の動作情報(視線,表情や骨格等)から,映像に対するユーザの関心度を推定可能なAIを構築しています.ユーザの動作情報に着目することで,ユーザによる映像の評価が得られない場合でも高精度な関心度の推定を実現しました.